アレルギー性鼻炎・舌下免疫療法

アレルギー性鼻炎について

アレルゲンが鼻の粘膜から侵入して免疫反応が起こることによって、鼻づまりや鼻水、くしゃみなどの症状が起こる疾患を「アレルギー性鼻炎」といいます。一年中症状が現れる「通年性アレルギー性鼻炎」と、特定の季節に症状が現れる「季節性アレルギー性鼻炎」の2種類に分かれていて、両方とも合併している患者様もいます。
近年、アレルギー性鼻炎を持つ方は増加傾向にあり、発症の低年齢化も懸念されています。特に小さな子どもの場合は、症状を言葉でうまく伝えられないため、口呼吸、鼻をこするなどの様子で発見されるケースもあります。

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー性鼻炎の原因で最も多いのが「花粉」で、地域によって差はありますが、スギやヒノキ、シラカバ、ハンノキ、イネ科、ブタクサなどの花粉によって、発症することが多くなっています。飛散するシーズンは植物によって異なります。一方、通年性アレルギー性鼻炎の原因は、ダニやハウスダスト(ダニ、カビ、ペットの毛などが混ざったもの)などです。

アレルギー性鼻炎の検査・診断

まずは問診と診察を行います。問診では、症状や発症し始めた時の年齢、症状が現れやすい時期、家族歴、他のアレルギー疾患の有無などをお伺いします。また、鼻粘膜の腫れの状態を診察する事もあります。必要に応じて、レントゲン検査を実施したり、原因を特定するため血液検査や皮膚検査(プリックテスト)を行ったりします。

血液検査

血中のアレルゲン特異的IgE抗体を調べます。花粉やダニ、カビ、動物の毛、昆虫などのアレルギーを持っていないか調べることが可能です。

皮膚プリックテスト

皮膚の上に直接アレルゲン液を付けて、専用の針でその部分の皮膚を軽く刺していきます。刺した部位にできた膨疹(ぼうしん)のサイズを測り、IgE抗体があるかを確かめます。

アレルギー性鼻炎の治療

「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法(アレルゲンを投与し、アレルギー反応を弱めていく治療法)」、「手術療法」の3種類あります。症状を引き起こすダニや花粉などのアレルゲンから避けられるよう、生活環境を整えることも大切です。
薬物療法では、抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の内服薬、点鼻ステロイド薬などで治療を行います。手術療法では、鼻の粘膜をレーザーで凝固する下鼻甲介粘膜焼灼術(かびこうかいねんまくしょうしゃくじゅつ)などを行います。

舌下免疫療法について

舌下免疫療法とは、アレルゲン免疫療法のひとつで、アレルギー物質を摂取することで、少しずつアレルギー物質を身体に慣れさせていく治療法です。抗アレルギー薬による治療とは異なり、症状の抑制だけでなく、長期的に点鼻薬等を使用しなくても過ごせる状態を目指していきます。

治療効果

舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質に対する免疫反応を改善させる治療法です。他の治療法よりも根治できる可能性は高く、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状、目の症状、皮膚のかゆみにも効くと言われています。3年以上治療を続けていけば、根治まで至る方も含めて、多くの方に効果が発揮されるとされています。
完全に根治できなくても、「症状がとても軽くなった」「服用が必要な期間が短くなった」など治療の効果を明確に感じる方が多いです。

舌下免疫療法の対象

  • 鼻炎の薬を減らしたい方
  • 5 ~ 65 歳で、スギ花粉もしくはダニアレルギーが原因となる、アレルギー性鼻炎を持っている方
  • 一般的な投薬治療を続けても、なかなか改善されない方
  • 運転業務に携わっていて、抗アレルギー薬の服用が難しい方
  • 妊娠を希望されている方(妊娠中には受けられません

治療方法

1日1回、舌の下にアレルギーの原因物質のエキスを置き、口に含みます。口腔内の血管から体内に吸収させていくことで(舌下投与)、アレルギー反応が起こりにくくなるよう目指していきます。

2022年現在治療薬は以下のものになります。

  • スギ花粉による花粉症 商品名 シダキュア
  • ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎 商品名 ミティキュア、アシテア

アレルギー反応を起こさない程度の体質になるまで、治療は3~ 5 年ほど続けていく必要があります。また、スギ花粉症とダニ抗原によるアレルギー性鼻炎の治療は開始時期をずらせば同時に平行して行うことも可能です。

舌下免疫療法の注意点

  •  この治療では概ね8割の方に対しては症状の軽減または症状の消失を認めますが、残りの2割の方は効果を十分に感じることができないとされています。
  • 重症気管支喘息の方、この治療でショックを起こしたことのある方は治療を受けられません。また、悪性腫瘍や免疫機能の疾患にかかっている方は慎重投与であり治療を受ける際はリスクを理解した上で注意しながら内服する必要があります。副作用につきましては、以下のような発症報告があります。

  • 蕁麻疹 
  • 腹部症状(嘔吐や下痢、腹痛など) 
  • 口内や口唇のかゆみ、浮腫、感覚異常 
  • その他(耳のかゆみ、くしゃみ、鼻水、目の痒み、のどの炎症・違和感、鼻づまり、咳、喘息など)

舌下療法は重篤なアナフィラキシーの危険性は低く(0.1%未満)、死亡例の報告は現在のところありません(日本アレルギー学会 スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引きより)。副作用が起こりやすいのは内服から30分以内、1ヶ月以内でその期間は注意が必要です。重篤な心疾患の方、β遮断薬やACE阻害剤を内服している方、内服後の激しい運動、口内炎や口の中の傷の存在は副作用発現の危険因子になるため注意してください。

診療時間表

内科 日・祝
8:30~12:00 /
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休診日:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日
内科:月曜、火曜、水曜の午前は2診体制となります。

耳鼻科 日・祝
8:30~12:00 / / / / / /
15:30~18:00 / / / / / / /

耳鼻科:第2、4木曜
※耳鼻科、認知症外来は日程が変更となる可能性があります。初診の方は受診前に電話でご確認下さい。

認知症外来 日・祝
8:30~12:00 / / / / / /
15:30~18:00 / / / / / / /

認知症外来:第2、4土曜
※耳鼻科、認知症外来は日程が変更となる可能性があります。初診の方は受診前に電話でご確認下さい。

皮膚科 日・祝
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皮膚科:毎週金曜

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