レントゲン検査
胸部レントゲンでは、心臓の大きさ(心臓に疲労によって大きくなっていないか)、肺に水が溜まっていないか(肺うっ血・胸水など)、肺炎、腫瘍が疑われる所見の有無を調べていきます。また、大動脈の石灰化を診ることで動脈硬化の判断も可能です。腹部レントゲン検査では、腸管内にあるガスの状態や、便の溜まり具合などを確認していきます。
CT検査
360度回転する検出装置を使用して、「人体を通過したX線の量」を測定し、そのデータをコンピューターによって画像化する検査です。人体の内部を輪切りにした画像を、精細に映し出すことができます。胸部(心臓や大動脈、気管支、肺など)や肝臓、腎臓などに生じる腫瘍は、通常のレントゲン検査だと発見しにくい傾向にあります。しかし、CT検査は、それらを見つけ出すのに有効な検査です。また、心臓に栄養を送る冠動脈や全身の血液を送る大動脈の石灰化の有無をチェックし、動脈硬化の判断材料にもなります。
心電図検査
不整脈(脈の動きが不規則になる状態)、心肥大(高血圧や心筋症で心筋が厚くなる状態)、心臓の虚血(心筋への血流が低下する状態)などの可能性がないかを調べる検査です。
24時間心電図検査
通常の心電図検査だと、見逃されてしまうような発作性の不整脈や自覚症状のない不整脈も見つけることができます。一日の総心拍数や最大/最小心拍数、不整脈の数や質を評価し、その後の診断や治療につなげる事ができます。この検査では、普段と変わらない日常生活を送りながら、24時間の心電図を連続記録していきます。(シャワーは大丈夫ですが入浴は避けて頂きます)。
運動負荷心電図監査
労作性狭心症を疑う際に行う心電図検査です。運動の前後で心電図を行い、心電図変化を認めた場合は狭心症疑いの診断となります。不安定狭心症の方には行えないため、検査施行には慎重な判断が必要です。
心臓超音波検査(心エコー)
心臓の動きを超音波で直接確認し、心臓の形(心臓の壁の厚さや心臓の大きさ)、心臓の収縮機能、心臓弁膜症や心不全の重症度などが分かります。
動悸や息切れと言った症状が、心臓の不調から生じているのかを確かめることもできます。
血管超音波検査(血管エコー)
頸動脈(脳へ血液を届ける血管)のエコー検査では、血管内膜の厚さや血管内のプラーク(アテローム性動脈硬化のプラーク説明部に飛ばす)の状態を調べることで、脳梗塞のリスクや動脈硬化の重症度を評価することができます。
下肢静脈のエコー検査では、静脈内に血栓が生じていないかを調べることが可能です。下肢静脈の血栓は肺動脈を詰まらせてエコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)を引き起こす要因になります。
血圧脈波検査(CAVI、ABI)
上肢・下肢の血圧を同時に調べ、動脈硬化の重症度や下肢動脈の狭窄が起きていないかを確かめる検査です。
睡眠時無呼吸簡易検査
携帯用睡眠モニターを使って、自宅で眠っている時の呼吸の状態や、血液中の酸素の状態を調べる検査です。睡眠時に無呼吸があると、日中の強い眠気などで社会生活に支障をきたすだけではなく、高血圧や心筋梗塞、脳卒中の発症リスクも上昇し、死亡率は 倍になるとの報告もあります。一緒に寝ている方にイビキを指摘された、日中眠くなることが多い、などの自覚症状がありましたら、より詳しい検査と必要に応じて適切な治療をしていきましょう。
血液・尿検査
血液検査では、肝機能や腎機能をはじめ、コレステロール値、血糖値、HbA1Cなどの数値を測定し、動脈硬化性の疾患の発症リスクを調べていきます。ホルモンや白血球数、CRPの数値、貧血の有無、腫瘍マーカーを調べることも可能です。検査の結果から、治療・栄養指導を提案して参ります。
また、院内では血糖値測定、心筋トロポニン迅速検査、尿検査が可能です。
心筋トロポニン迅速検査は狭心症や心筋梗塞が疑われる際に行い、15分程度で結果を判定します。
尿検査では、尿中に含まれているたんぱく質や血液(赤血球)、糖を調べます。結果から、腎臓病や糖尿病、膀胱炎の有無を確かめることができます。